戦争を見守る猫一匹




ゴキブリがでたため

3日間家を空けておりました。



喜文です。


コンバンワ☆




ぼくが機嫌よくレンタルショップから借りてきた


木更津キャッツアイを見ながら、



「ニャー!!」とか言って飛び跳ねていたら





いたんです。




真っ白な壁に張りつく



ゴキブリ特攻部隊京都支部長が!!!



やつだ!



やつだよ!!


ゴキ次郎だよ!!!


伝説の二枚羽根のゴキ次郎だよ!



「何かたのしそうだな、おい」



とか言って触角をフリフリさせてこっち見てました。


「おれと一緒にニャーしようぜ」




ぼくは鳥肌をたててました。


それはもう足の先から頭の先まで。



「ニャー…」なんて言ってる場合ではない。



生死に関わる由々しき問題である。




小一時間睨み合っていたでしょうか。



特攻部隊京都支部長のゴキ次郎が動きだしたのです。



押し入れに向かって悠然と進む姿を


ぼくは脱力した状態で眺めていました。



ゴキ次郎は押し入れの暗がりへと消えていった。



ぼくはそっと戸を閉めて、とりあえずゴキ次郎を


閉じ込めておくことにしました。



そして布団をかぶって、眠りについたのであります。



ただ夢の中に逃げ込みたかった。




それが悪夢になるとは知らずに。




つづく。




2006 8月1日 kibun






「泣いてたってしょうがねえのに…。


 白石ってババアが結婚もしないで捜してたぞ」


『ピアノの森』4巻より



壁際の少年が思うこと