その先に


おひさしぶりです。


コンバンワ☆


二年連続クリスマスイヴはひとりでM1グランプリを観戦してました。


喜文です。



こうやって振っておいてクリスマスとM1についてこれからまったくふれませんから、


そこは喜文イズムてことで。



この前ある仕事を頼まれて、エレベーターに乗ったんです。



エレベーターに乗る仕事といっても、

「三階婦人服売り場へまいります」とはちがいますよ。




ただのお使いです。


小間使いです。


命令されてしたがうしかない、給料という縄に縛られたぼっさぼさの犬です。




そんなおれが与えられた誰もやりたがらない危険な仕事は








延長コードを5階に返しにいくことでした。 





一階のエレベーターホールで上昇思考のエレベーターを待つ。



三基あるエレベーターのうち、


医者限定お見合いパーティにしか参加しない33才の女性のような方はいらっしゃらないようで。



みんな下に行ってしまいます。



ようやく来たと思って乗り込もうとしたら、


そこにおっさんがいました。


いえ、おっさんというにはあまりにも失礼なそのみなり。



高そうなスーツを着込んだ紳士です。


馬主じゃねえのか?!


とおもうくらいの貫祿です。



金持ち=馬主というまちがった認識をもつ24才。


あ、あと一週間で25才だわ。



軽く鬱だ。






だってよう、おれ25才までに馬主になる予定だったんよ?!



ふん。


そんなダビスタやってた時代のはなしはいいや。




その紳士、あまりに貫祿十分どっかりと入り口に立ってるもんだから、


乗り込みづらいのね。


「ちょっとすいません」


と言って乗り込もうとすると、


「あぁ、失礼」



そう言って紳士はエレベーターを降りていったの。



異臭を残して









この匂いは…










明らかに屁だ!!!






異変に気づいたおれはあわててボタンを押しました!



それはもうすばやく。





ポチ



ドアがしまっていくよぅ~。







ばかやろう!!



閉と開の漢字似すぎなんだよ!!




まるでエネルギーを入れられたかのように屁とともに上昇をはじめるエレベーター。



閉じられた箱ものの世界の中で生死を彷徨うおれ。




こんなに息を止めたのは、



大好きなあのひとに出会った瞬間と、




いまこのときだけだ。














チーン。


エレベーターが止まったことを知らせる音。



これぞ福音。






やっと逃げれる!



そうおもって階数表示をみると、








まだ三階でした。





て、ことは誰か乗ってくる!!!





それはそれで大ピーンチ。


だって乗ってきたひとは絶対おれが屁こいたと思うじゃないか。




ドアが開いた瞬間、おれは運命を呪いました。



三階でエレベーターをまっていたのは歳の頃、20歳くらいの、


歳のころ、20歳くらいの、美女。





推定、入社半年。





ぎゃー。



ち、ちがうんです。



それをこいたのは一見馬主にみえるけど、


じつはすっげえくさい屁をこくおっさんで。



おれはなにも。



なにもしてないんだー!!



なんて叫ぶことはできないため、


ドアが開いて美女が乗り込もうとした瞬間、



おれは無表情で即効、閉ボタンを押しました。





おそい、おそいよ。



関西電力よ、もっと電気を



ドアとドアの隙間に足が入ってきた。



美女だ。



あぁ、もうだめだ。



おれは意気消沈して、下を向いていました。



あぁもう絶対おれが屁こいたと思われてる。





チーン。




着いた先は8階でした。



2006 12 26日


kibun



横綱はいま強くなる稽古と、
3年先に強くなるための稽古と、
両方をしなくちゃならない

 九重親方


想像